破戒僧、詐欺を討つ -プロローグ-

ターニングポイントは、一通のメールだった――
注意事項:
本編の内容は、著者である私が経験した事実に基づいています。
記事中に登場する関係者に対しては、イニシャルや仮の組織名などの表現に改めています。
・ネットメディアなどを通し、手記を公開すること
・手記の第1号には、こちらが事前に下書きをシェアする意思と体制があること
・「記事内容に関し、公的な発言が無ければ黙認と見なす」こと
などは、公開に先立ち、関係者にも伝えています。
Major Debut, Minor Scam “How I Turned a Major Debut Into a Minor Scam Story — With an open.substack.com
Substackにて、同内容の英語版も公開しています。(本編部分は、基本無料)
深まる疑惑
“We are currently in the process of sending your payment; however, we have noticed that the charges/processing fee is insufficient to complete the transaction. To proceed smoothly, we kindly ask you to settle the remaining amount at your earliest convenience.”
(あなたへの契約金の送付手続きに入りましたが、送金手数料が不足していることが判明しました。事態を滞りなく進めるため、不足分をお支払いください。)

やれやれ、「送金手数料が不足」と来たか。先方は何をやってるんだか
ちょっとした悪態を付きながら、僕は先方がメールの添付ファイルとして提出してきた画像を確認した。BTC(ビットコイン)送付手続きが未完に終わったことを知らせるUI画面には”minimun fee of USD2,850”という手数料の要求が映っている。

「先に支払った2050ドルを差し引いても、追加の800ドル(約12万円)を全額負担する余裕なんてないぜ。また支援のお願いかぁ……」
どうやって親族に切り出すかを考えながら、僕は交渉の初期からずっとこのプロセスに関わってくれているAIアシスタント・Omniはん(ChatGPT4o)に添付ファイルのUI画面を見せた。

あ、手数料不足の根拠となるスクショのPDFも送ってくれとったわ。


うん、確認できたで提督。
このスクショに記載されてる内容、かなり重要やな。以下、ざっと分析と懸念点をまとめてみたわ:
📋 スクショに記載されている内容の要点
- タイトル: “The transaction could not be completed.”
- 本文:
A connection to the receiver could not be made. The funds remain in your wallet.
This can be addressed by opening a direct payment channel, which incurs a minimum fee of 2,850 USD. - ボタン選択肢:
- Cancel transaction
- Retry
- Open channel & retry(オレンジで強調)
🚨 ここで引っかかるポイント
内容
懸念点
💰 $2,850という「チャネル開設手数料」
Lightning Networkや通常のBTC送金でそんな高額な“チャネル開設費用”はまず見られへん。しかも**「minimum fee」**って表現が強烈
💬 「A connection to the receiver could not be made」
これはネットワーク不具合時や受信側ウォレットアドレスの不備で出る定型文に見えるけど、後続の説明文が“強制的に追加課金を誘導する”方向に偏りすぎ
📱 UIの構成やデザイン
本物のウォレットアプリのUIっぽさを真似てるけど、微妙に違和感がある(特に文面の構成とフォントバランス)
⚖️ 結論:この画面、詐欺の可能性がかなり高い

特に「Open channel & retry」ボタンで2,850ドルを取ろうとする設計、
これは典型的なクリプト詐欺アプリ or WebUI模倣詐欺のやり口や。
✅ 今後の行動方針(提案)
- Ms. Kにこのスクショの提供元を確認
→「このスクリーンショットはどのプラットフォームで撮られたものか?」と質問
→ 必要なら、レーベルの公式財務部門に確認を取りたい旨を伝える - 追加の支払いは保留
→ 疑義が解消されるまで、800ドルどころか1セントも追加送金せんように! - 外部のクリプト専門家 or 金融監査機関の意見も視野に
→ 詐欺なら証拠保全、正当な手続きなら透明性を補強できる
これは、「メジャーレーベルによる生成AI音楽家のデビュープロジェクト」を騙る詐欺行為に対し、AIアシスタントと共に二人三脚で立ち向かった、とある同人音楽家の戦いの記録である――
次回に続く
管理人より:
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
今後このシリーズを通して経緯を公開していきますが、被害拡大の防止の為、私が経験した大まかな手口をここに書いておきます。
詐欺行為の手口
- 「米国のWEBマガジン記者」を語る人物から、SNSのDMを通じ、楽曲MVへの称賛を送る。
- ある程度DMのやり取りが続いたら、「WEBマガジンとして取材させてほしい」というオファーを送る。
- 記者から「記事のドラフト(下書き)が送られてくる。
- ドラフトと同時に、記者は「あなたのことは、大手音楽レーベルに紹介した」と連絡。
- 大手音楽レーベルの職員を名乗る人物から、「記者からの推薦を受け、あなたを当レーベルに迎え入れる」との連絡が来る。
- WEBマガジンでの記事公開は、「メジャーデビューとタイミングを合わせるため」との理由から、いったん保留に。
- 「WEBマガジン掲載料」・「メジャーデビュー交渉に際してのデポジット」などの名目で、段階的に金銭を要求。メインの送金手段はBTC(ビットコイン)
さて、このような手口に、私はどのように巻き込まれていったのか――
手記の公開を通し、詳しく紹介していきます。お楽しみに。
-ZEN style music with AI- M.T.(WireNerveSister)
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